ファストエイドについて考える
「これからトレイルランを始めようと思っていますが、シューズ、バックパック以外に何が必要ですか? 」
これはお決まりの質問です。
グローブ?
ウィンドブレーカー?
機能性アンダーウェア?
補給食?
ニーズの高いものから、レースでよくお見かけするアイテム色々と・・・
キャップ?
バフ?
サングラス?
ゲイター?
手ぬぐい?
テーピング?
より快適、疲労軽減グッズと様々です。
トレイルランニングのいいところは五感で自然を感じ考えながら野山を走り、軽快に風を切り、いろんな風景の移り変わりを楽しめるところでしょうか。また、新しいフィールド(山)、人に出会える旅のようなワクワク感、そしてちょっぴり自分自身に対してチャレンジングなところだと思います。
私は高校の修学旅行でスキーに行きました。
九州生まれ育ちの私にとっては、そりすべりくらいしか経験がなく、ただ、徐々にボーゲンができたり、曲がれたり、早く滑れたり、止まれたりと全てが新鮮で楽しかったことを覚えています。 あと、ちょっぴり怖い感覚もありましたね。 転倒すると痛かったし、中には足をひねった友達もいました。
なんとなく、トレイルランニングも特に下りに関してはそれに似ている感覚や楽しみ方があるのかな思います。
登りでは、前回より楽に登れたとか、筋肉痛が起きなくなってきたとか、ここまで歩かず走れたとか、ここだったら歩いた方が楽に早く登れたとか。とにかく終始考えることが自分にとっては楽しい要素なのかなと思うようになりました。 自分の体が今どのような位置にあって、重心がどこからどのように移ってみたいな、登りが苦手なだけに色々とあーじゃない、こーじゃないと試しながら登るようになりました。
最初はその楽しみ優先で道具を選び、より快適さを追求しがちでした。
レースも最初の頃は特に出る大会には必携品もなく、徐々にライトやレインウェアとそれまで快適性を追い求めた頃から、少しずつ安全面を考えるようになってきました。
九州でトレイルランを始め少しずつその活動を広めていた頃、クロスカントリーの大会で肩鎖関節完全脱臼をしてしまいました。 簡単に説明すると、前にバランスをくずし、肩から地球にタックルしてしまったのでした。 そこはゴルフ場内のクロカンでめっちゃ走れるカート道などもありました。ただ、その日は雨。
芝で足を滑らせて気がついたらうずくまってました。
まだ、そこがゴルフ場だったので、軽トラックで大会関係者に迎えにきてもらいそのまま病院送りとなりました。
それがあったせいか、絶対に山で事故や怪我をしないよう、ブレーキがかかるようになりました。ちょうど中止となった第1回UTMFの数ヶ月前のことでした。
その後様々な大会に運営やボランティアとして携わる中、何を持って山に入ったらよいのか失敗や後悔も繰り返しながら考える機会が増えました。
結構な前置きになりましたが、トレイルランニングを初めるにあたって何を持って山に入った方がよいのか、必要性、快適性、安全性で考える必要があるのだと思います。
また、快適性ー>軽さというのがついてくるので、どうしても不要な道具やアイテムは持ち込まないようにもなりがちの中、安全性のアイテムは優先が落ちたりつい忘れてしてしまうのが現状のようにも感じています。
写真のアイテムが今現在私が大半の場合、山に持ち込んでいるファストエイドです。
ポーチはDeuterのアクティブという一番小さいサイズを使用しています。(*ちなみに大会スタッフ用としては中サイズ、大サイズを使用)
ただ、これらの内容も今まで様々な大会で遭遇してきた怪我や事故を見てきて変更、追加してきました。 また、大会で使用するファストエイドはこれにプラスのものがあったり、逆に、自身が大会で使用するものは手ぬぐいなどは三角巾として併用できるものなど省略したりした簡易バージョンになります。
また、怪我の際に洗浄用として、手持ちの水分の半分は清潔な水を持っていくようにもしています。
自分自身のためだけでなく、同行する方、また偶然事故や怪我人に遭遇した時にも使用できます。 山以外でも普段家族で出かける時も特に小さい子供がいる時は重宝します。 また、昨今の防災対策としてもすぐにいつでも持ち出せるように意識も変わってきています。
大きな大会や縦走、山行の前ではなく、それら重要な時にミスや忘れが無いようにそれ以外の時にじっくり考え備えた方がよいのかなと思います。
ということで、これからトレイルランニングを始めようとしている方、またはじめられて間もない方、ファストエイドキットも重要なアイテムの一つなので、考えてみてはいかがでしょうか?
p.s. 2019.9.8に情熱大陸で放送された富士山のお医者さん。三浦さんのエベレスト登頂にも医療アドバイザーとして動向された大城和恵さんは以下のように話されていました。
「(街病院の)医者が知っているよりは登山者とか救助に行く人が知っていたほうがすごく人が助けられるということが分かってきて、それをみんなに知ってほしい。」