初☆ヨーロッパトレイル Andorra ULTRA TRAIL 2016

レースが終わって一週間以上経ちますが、未だにキツかった、辛かったという感想しか出てきません。
いつか楽しかった、またチャレンジしてみたい!と言える日が来るのでしょうか。。。

ストックのためにザイゴス購入♪

ストックのためにザイゴス購入♪


スペインとフランスの間にアンドラという佐賀県くらいの小さな国があり、去年そこの100マイルレースに参加した我らの監督が、
「リタイアしてしまったけれどとてもいいレースだった。今年は是が非でもリベンジしに行くけど、一緒に行きたい人はいるかい?エアーやホテルはアドバイスできるぜ」
と素敵な提案をされていて、これに乗らない手はないだろう!と参加を決意しました。
大会レースディレクターのヴァレリーさんと

大会レースディレクターのヴァレリーさんと


まずは休みの確保。職場には半年前から休み希望を伝えて、渋々納得してもらいました。
次にエントリー。170㌔のRondaと112㌔のMiticで悩みましたが、今年の本命レースは9月のUTMFで最後まで走りきることが目標なので、Miticに決定!
エントリー時期が早い方が値段も安く、ゴール後の軽食、エコカップ、保険など自分に必要なものを追加していきます。私は合計146,3€になりました。
その後医師の診断書をメールして、HPのエントリーリストに名前が載ったら無事に完了。
次にエアーの予約。春から福岡~ヘルシンキを結ぶフィンエアーが就航しており、値段の変動はあるものの7月13日~20日という日程を決めたら直ぐに予約しました。
福岡~ヘルシンキ~バルセロナの乗り継ぎが便利で、往復95,270円でした。
ヘルシンキ空港は乙女心をくすぐります♪

ヘルシンキ空港は乙女心をくすぐります♪


さてホテルですが、取り纏めをしてくださる監督が皆のスケジュールを吟味して全て予約をしてくださりました。
レース前のバルセロナ2泊、レース会場の目の前のホテル3泊、レース後のバルセロナ1泊で計29,000円。
こんなにお得に良い場所で泊まれたのは、本当に有り難かったです。
あとはHPに記載されてる大会要項やスケジュール、装備品、禁止事項などの英文をちびちび翻訳しながら読み進め、イメージを膨らましていきます。
最後にバルセロナ~アンドラまでのバスの予約(往復69€)をもって準備完了!
ここまでの過程はドキドキするし、多少面倒な作業ですが、海外旅行+レースに向けてのわくわく感が盛り上がるものでした。
ホテルの窓から会場が一望できます!

ホテルの窓から会場が一望できます!


何より大事なレースに向けての練習ですが、4月に体調を崩してしまい、予定していた九重全山ぐるっとと、橘湾岸マラニック173㌔をキャンセルするはめに。
気力体力を失いかけましたが、レース3週間前に中津駅~太宰府までの約110キロ累積6000㍍を36時間かけて走破する練習ができて少し自信を取り戻しました。
ここで学んだマメ対策、眠気対策は今回のレースにも充分役に立ちました。
今回も補給食をたくさん準備

今回も補給食をたくさん準備


旅のスケジュールは監督が考えてくださり、ざっと以下のものです。
7月13日(水) 福岡9:30発~ヘルシンキ経由~バルセロナ20:25着
7月14日(木) バルセロナ観光
7月15日(金) バルセロナ10:00発~バス~アンドラ13:55着 レース受付 ホテルで準備&仮眠 22:00Miticスタート
7月16日(土) レース中
7月17日(日) 20:00Miticゴール制限時間 夜打ち上げ
7月18日(月) アンドラ10:20発~バス~バルセロナ14:15着 夜打ち上げ
7月19日(火) バルセロナ10:15発~ヘルシンキ経由~
7月20日(水) 福岡8:00着
時差がサマータイムで7時間あり移動中にしっかり眠る予定が、飛行機では映画が面白く、バスでは景色が素晴らしく思ったほど眠れませんでした。
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Miticのコースですが、距離112㌔に対して累積標高9,700㍍!!制限時間46時間でアンドラ国をぐるっと1周します。
トップ選手のゴールタイムが18時間と書いてあったので、単純に倍の36時間を目標タイムに設定。
22時スタートでデポバックのある44㌔に10時、77㌔に22時、ゴールに10時と分りやすい!
多少遅れても10時間の余裕があるので気持ちも焦ることはない。我ながらナイスなアイデアでした。
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いよいよレーススタート!
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22時とはいえ白夜のためまだ明るい。
最初のロード部分でザックに留めていたストックを1本落としたので、すぐにトレイルに入るだろうから早速両手にストックを持ちます。
集落を通ると地元の盛大な応援!子供達もたくさん待ってくれていて、ハイタッチで元気をもらえました。
トレイルに入るとずっと上りです。こちらの方々は身体は大きいし足も長くてがしがし登っていきます。
ペースがきつくて先を譲ると、20人くらい列なって追い抜かれ、こりゃキリがないということで意地でも付いていくことに。
ヘトヘトになりながらも最初のエイドに到着。大混雑です。もらったスープがぬるくて体も冷えてきたのですぐに出発。
ここから最高地点2,942㍍のコマペドローサまで3㌔で882㍍一気に上ります。
足元は岩岩したガレ場で油断したら大ケガしそうなのに、なんだか頭がぼんやり。
最初眠いのかなと思って、集中!!と自分に言い聞かせてもフラフラしてきます。
次第に頭痛と気持ち悪さが現れて、ようやく高山病みたいだと気付きました。
最高地点は台風並みの強風でかなり寒く、なんでこんなところに来ちゃったんだろう、とすでに軽く後悔。
まだ序盤なのにこんな状態でゴールまで辿り着けるのか、かなり不安になってきました。
一気に上ったあとは一気に下ります。ここはストック様が大活躍です。ザレザレの小石をズルズル下ります。
途中雪渓が残っていましたが、たくさんの人が通ったあとの真夜中ということで、ツルッツルのスケートリンクのようになっていて派手に何度も転けました。
へッ電がキャップと共に吹っ飛ぶは、肘は強打するは、散々でした。
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そんなこんなで気力体力ヘトヘトでしたが、夜が明け出して素晴らしい景色が見えてくるにつれて、ぐんぐん元気が出てきました。
雲一つない真っ青な空、緑に覆われた大草原、360°見渡す限りのダイナミックな山々、そのなかをポツポツ走っているカラフルなランナーたち。
ああ、この自然のなかを走るために私ははるばるやって来たのだ!全身全霊で味わなければ!!
もう、サイコーの気分でした。この時は…。
ルンルンと44㌔地点のデポバックの所に辿り着いたのは予定通りの10:07。
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応援に来てくれていた仲間とお喋りできて、しっかり補充して10:33には出発しました。
ここからは8,5㌔かけて1,553㍍上りっぱなし。
容赦ない日差しが汗をすぐに蒸発させます。湿度が低いので唇はカサカサ、鼻はカピカピ、砂ぼこりで喉はガラガラ。
いくら飲んでも飲み足りないくらいカラっカラです。汗だらだらの日本とは大違いです。
木陰を見つけては補給のため休憩しますが、段々手持ちのジェルを受け付けなくなってきました。
舌がザラザラ、胃はモヤモヤで味の濃いものが辛いのです。
その代わりエイドのパスタ入りスープの優しい味がじんわり美味しく、フルーツの甘さは最高でした。
途中の湧き水が豊富な水量で冷たくて天国でした。
エイド食全制覇は叶わず…。

エイド食全制覇は叶わず…。


その頃からトイレを探すようになったのですが、エイドにもなく、トレイルには放牧されてる牛たちの糞がたくさん…。
辛抱たまらず岩影で用を足しました。やれやれと進み続けていると、登りを走って追い抜く人が。
元気だなーと顔を見ると、キリアンにそっくり!スペイン人は皆こんな顔立ちなのね。オラ!と挨拶を交わします。
夕方になると日陰はひんやりしてきます。陽射しの所とは大違いです。この頃には周りのランナーはポツポツしかいなくてほとんど一人ぼっちです。
次のデポバックのある77㌔を目指していると、ボラの方がゼッケンをチェックしていて、ここで止めるか続けるか聞いてきました。
もちろん行く!と伝えるとアレ!アレ!と応援してくれました。その顔はクリッシーモールでした。
なんて豪華なレースなんだと感動していると、前からカップルが歩きながら応援してくれます。
キリアンとエミリーです。あ、やっぱりさっき追い抜いていったのはキリアンだったんだ、とまたも感動!
サンキューサンキューと精一杯応援に応えました。
嬉しさ一杯で77㌔地点に着いたのは、予定より早い21:34。
まるで女子1位が着いたかのように、ブラボー!ジャポネーゼ!!と大歓迎してくれました。
ここでもトイレが使えず、とにかく暗くて寒いので防寒をして21:57に出発。
体が冷えきっていたのか直ぐに岩影へ駆け込みます。
前の方にライトが見えるけど到底追い付けないので、マイペースに進むしかありません。
暗くて寒くて心細い。
2晩目に突入したので、眠気も加わって意識がぼんやり。遠くでカウベルがリズムよく鳴っている。ふとこれは夢で見たぞ、とデジャヴュ感が。
このトレイルもこのカウベルも知ってる!いつ見た夢だったっけ?最近だっけ??というか今が夢なのか???
なんだか果てしない夢の中を朦朧と歩いている気分になり、今となってもあまり記憶がありません。
同じようなピークとエイドを何度か繰り返し、最後のピークで夜が明けました。
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朝焼けはそれはそれは素晴らしく、またもぐんぐん元気になっていくのがわかります。
この景色は私が知っている中で例えるならば、とんでもなくスケールが大きくなった九重連山です。
とてもワイルドでダイナミックでそこいらに恐竜がいたって驚きません。
ロードオブザリングのホビット族が生活していたって不思議はありません。
そんな大自然の息吹にまたもお腹が悲鳴をあげ、草藪に駆け込みました。
もう出すものもなくなってすっかり体も軽くなりました。
最後のエイドでコーヒーとパンで素敵なモーニング。
あとは下りのロードで終わりです。
大きな馬が道に横たわってじっとこちらを見ています。近づくと巨石でした。
小さな岩にびっしり文字が書き込まれています。漢字を書くことができるんだーと感心していると岩の模様でした。
お経が書けるなんて仏教徒もいるんだー、模様でした。
もはや幻覚でもなんでもござれです。
ゴールが近づくにつれ、ゴルフ場やキャンプ場でバカンスを楽しむ方々から応援してもらい、世俗へ帰ってきたぞ感が満載です。
ゴールには仲間が待ってくれていて、目標より早い9:40に帰ってこれました!
なんとゴールして直ぐに冷たい生ビールで乾杯できるのです!お代わり自由です!最高に美味しかった!
さっちー、写真ありがとう!

さっちー、写真ありがとう!


と、ここまで思い返すと辛いだけじゃなかったな、でももうしばらくはいいやって感じです。
歯が立たなすぎて悔しい気持ちも芽生えません。
しかしここでしか体験できなかった高山病、暑くてカラカラになる感じ、初ストックの肩こり、まだらの日焼け、豪華な幻覚、かかとの靴擦れ、夢遊病感、真夜中の巨大牛たちの群れ、糞に群がる無数のハエ、全てが経験してみないとわからないことだらけだったので、参加して完走できて本当によかった!と心から思えます。
次なるチャレンジをするときには、またどんな新たな自分に出会えるのか興味津々です。
ゴール後の軽食で乾杯!

ゴール後の軽食で乾杯!


ちなみに同じ日に開催された、アメリカのハードロック100でキリアンは優勝したそうです。
幻覚でもお会いできて光栄でした♡